2024.5.2|ファファラ精油物語 鷺島広子/第27回 「ユーカリプタス・ラディアータ」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

前回のユーカリ・グロブルスに続き、今回はユーカリ・ラディアータです。ユーカリ・グロブルスよりも柔らか、とよく表現されますが、それでも1,8-シネオールが60%前後は入っているので他の精油に比べて単体の成分の含有量が多く、やはりすっとした香りがまず鼻に入ってきます。

 

 

〇ユーカリ・ラディアータ(学名:Eucalyptus radiata 科名:フトモモ科 抽出部位:葉)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;ウェルビーイング

 

 

 

 前回のユーカリ・グロブルスに続き、今回はユーカリ・ラディアータです。ユーカリ・グロブルスよりも柔らか、とよく表現されますが、それでも1,8-シネオールが60%前後は入っているので他の精油に比べて単体の成分の含有量が多く、やはりすっとした香りがまず鼻に入ってきます。ですがそのあとに残ろる甘さ、わずかに針葉樹の木部を思わせる様なまったりとした感じ、は明らかにグロブルスの香りとは異なります。

 

この少しまったりした香りのおかげで、他の精油とも合わせやすく、例えば高山マツとマンダリン、といった様な少しこっくりした香りとのブレンドも温かみのある香りに仕上がり、意外と体の冷えが気になる初夏のバスソルトなどにもおすすめです。

 

またラベンダーやゼラニウムといったハーブ系の香りとのブレンドもグロブルスよりも柔らかい風の印象で新緑の季節を迎えるにあたり気持ちよく使えるでしょう。汗の匂いが気になる季節のボディスプレーなどにもおすすめのブレンドです。

 

前回インドの高山地で風に揺れるユーカリの森の感じが日本の竹林にも通じると書きましたが、葉っぱが風と戯れる感じ、いわば ”風との親和性“は、その香り成分にも共通している気がします。香りを感じたり、またはトリートメントオイルなどで体に取り入れることで身体に『風』を起こす働きがあるように思います。

 

身体の中の『風』の役割は、アーユルヴェーダでの3つの要素(トリ・ドーシャ)では“ヴァータ”、中医学の五行(木火土金水)の中の“木”の要素が対応し、共通して言えるのが、動きや巡りの役割です。体内の気の巡りや体液の巡り、などもこの『風』の要素と関係してきます。これらの要素が少なくて(風が弱すぎて)巡りが悪くなると、むくみや無気力の原因となります。反対に多すぎて(風が強すぎて)他とのバランスが崩れると、落ち着きがなく、気持ちが不安定になったり、お腹を壊したり、体調が悪くなります。

 

植物療法はこうした様々な要素のバランスをとるのが得意です。アロマテラピーにおけるユーカリも、自分の中に少し『風』の要素を加えたいとき(=停滞したものを動かしたいとき)に用いるとよいのではないかと思います。

 

逆にバタバタ落ち着かず、『風』の要素を減らしたいときは、別の落ち着きをもたらす香りを用いるのがよいと思いますが、そういうときは自然とユーカリの香りを欲しない、選ばない傾向に自然となるのがアロマテラピーの面白いところで、自分に必要な香りがよい香りに感じるのです。いつもワークショップなどで「好きな香り、心地よいと感じる、自身の感覚を大切に」とお伝えしている理由がここにあります。

 

新緑の季節となり、草木もどんどん成長し、世の中の動きも活発になる中で、自分だけが停滞しているように感じ気持ちが沈んでしまって…というお悩みが多くなる時期でもあります。そんな停滞感を感じ、自分の中に風を取り入れたいとき、程よく柔らかですっとしたユーカリ・ラディアータを用いてみるのはいかがでしょうか?

 

ベルガモットやグレープフルーツなど気持ちを上げてくれる柑橘系と合わせてみるのもおススメです。グロブルスとのブレンドと比べてみるのも面白いでしょう!

 

次回はユーカリ・レモンの予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。