2023.2.6|ファファラ精油物語 鷺島広子/第12回「マンダリン」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

 植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰のアロマセラピスト鷺島広子さんにファファラの精油を毎月1種類ずつ紹介していただきます。第12回目は「マンダリン」。温かみのある、柑橘のエッセンシャルオイルです。

 

 

マンダリン・レッド(学名:Citrus reticulata 科名:ミカン科 抽出部位:果皮)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;ジョイ

 

 

 マンダリンという名前は、もともとは中国清朝の官吏のことで、彼らが着る衣服の色に由来すると言います。さらにマンダリンオリエンタルという高級ホテルの名前にもなっていて、柑橘系の中でもなんとなく高貴な特別な感じがします。食用としても人気のタンジェリンも実は同じ学名でモロッコ人という意味を持ちます。マンダリンの原産地と言われるインドのアッサム地方を起源にヨーロッパ、アフリカ、中国、そして日本にも広がったと考えられます。

 

 柑橘系の精油はオレンジ・スイート、レモン、ベルガモット、グレープフルーツなど多く存在しますが、マンダリンもその一つ。こっくりした深みのある甘さが特徴です。それでいて甘すぎず、少し苦みの利いた香りも併せ持っていて、嗅ぐと大きな満足感が得られる香りかと思います。その香りは安心感にもつながり、お子様からお年寄りまで共通してリラックスを促します。落ち込んでいる心にも光を照らす様に働きかけ、気持ちを程よく上向きにしてくれます。反対に興奮しすぎているときは、心を落ち着かせてグラウンディングをしてくれる香りでもあります。

 

 柑橘系の香りは、比較的どの精油とも相性はよいですが、このこっくりした香りのマンダリンの香りは、ある種の温かさを持つため、寒い季節におすすめの精油、例えば針葉樹やスパイス系の香りとの組み合わせは最高です。

 

 風邪の後遺症でせき込んで眠れないとき、シダーウッドとマンダリン、お好みでラベンダーのブレンドは、鎮静作用が高く、呼吸器系の鎮静と同時に、心も落ち着かせ、安心感をもたらしてくれます。さらにクリスマスキャンドルやお部屋の芳香浴には、マンダリン、ジンジャー、ペッパー・ブラック、マジョラムなど、心も身体も温めるブレンドもよいでしょう。そのままトリートメントオイルとしても特に腰回りの痛みやお腹の張り感にも効果的なブレンドです。

 

 多くの柑橘系の香りがそうである様に、マンダリンも消化促進作用があります。特に油ものを食べた時、食べた後に身体が冷えたなと感じた時、などに胃腸の働きをサポートしてくれます。少量のシナモンや高山マツなどを加えると血液・リンパ液の流れをサポートしてくれます。これまでの作用をまとめると、抗不安・消化促進・血流を促す・リンパの流れを促す・温める・心と身体の鎮静…と多くの作用を持つことがわかります。外出時のポケットにマンダリン精油をしみこませたハンカチやコットンを忍ばせておくと、心身に緊張が走りそうなとき、張りつめて固くなった心と身体をほぐしたいときに有効です。

 

 立春が過ぎたとはいえ、日本ではこれからが寒さの本番。日に日に輝きを増す太陽と自分の内面のギャップが大きいほど、心的ストレスは大きくなるのではないかと思います。太陽の象徴のようにも扱われる柑橘系の香りを嗅ぐこと、食すこと、など五感を刺激することはご自身の中のそのギャップを埋めることにも繋がります。年度末に向けて、なにかとせわしない気持ちになったときや勉学や仕事に追われているとき、本来の自分の希望を見失いそうになった時、ぜひマンダリンの香りを嗅いでみてください。それだけでも心と身体に火を灯すことに繋がります。

 

どうぞ健やかにお過ごしください。

このコラムも今号で丸1年となります。ご高覧いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

2年目も楽しみながらお届けしたいと思います。3月はカモミール・ジャーマンの予定です。

 

 

 

 

 

 

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鷺島広子(さぎしまひろこ)

 

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト

 

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。