森林医学

森林の効果をご存知ですか？微妙に異なる緑の色、鳥のさえずり、吹き抜ける風、小川のせせらぎが散りばめられた活気に満ちた静寂。針葉樹、樹脂、苔、キノコの香りを持つ比類のない香りのブーケ。スピードを落として、大地に足をしっかりとつけて、リラックス。針葉樹のエッセンシャルオイルに含まれる芳香物質の一種「テルペン」は、森林散歩のプラスの効果の一部をにない、深呼吸を促し、私たちの健康全般をサポートします。

意識的に森の空気を五感で感じることは、精神だけでなく体全体にも効果をもたらします。日本では、1980年代から森林浴が療法として認知されてきました。「森林浴」という名前で確立された意識的な森林滞在は、単なるストレス軽減法ではありません。森林医学は日本の医科大学でも研究されています。

森林医学*の効果

森林で過ごすことが私たちの神経系に良い影響を与えることが研究で示されていますが、森林医学の実験でも免疫系の大幅な改善が実証されています。この健康増進効果は、森林の緑による視覚刺激、呼吸する際に取り込まれる森林の空気中の多種多様な二次植物物質（フィトンチッド）、都市ストレス要因の排除など、森林全体に影響されています。森林医学の野外実験では、被験者は連続した 2 日間、午前と午後に森の中を 2 時間散歩しました。被験者の免疫パラメーターに対するプラスの効果は、最大 4 週間にわたって測定することができました (1)。さらに、森の空気に特有の植物の芳香物質が、総合的な森林体験がなくても人間の免疫機能を刺激することが研究で示されています。特に、エッセンシャルオイルの主成分であり、森林の空気中に揮発性の形で存在するテルペンが、この効果の原因となります (2)。

3日間の実験中、被験者の呼気にはテルペンが豊富に含まれていました。プラセボ群と比較して、これらの被験者では免疫マーカーの有意な増加も測定されました。

*森林医学という学際的な分野は、医学、生物学、心理学のエビデンスを組み合わせたもので、森林での定期的な滞在が健康に寄与することが明らかであることを示しています。

参考）日本衛生学会森林医学研究会：http://forest-medicine.com/page01.html

1)Li Q, Morimoto K, Kobayashi M et al. Visiting a forest, but not a city, increases human natural killer activity and expression of anti-cancer proteins. Int J Immpath Pharmacol 2008; 21 (1): 117–127.

2) Ohira T, Matsui N. Phytoncides in forest atmosphere. In: Li Q, ed. Forest medicine: public health in the 21st century. New York: Nova Biomedical; 2013: 27–36.

森の空気が効く！

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本当は毎日、魔法の森に出掛けられれば良いのですが、実際はなかなか難しいですね。

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