植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。
ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています
〇アニス(学名:Pimpinella Anisum 科名:セリ科 抽出部位:種子)
アニスというとすぐに思い浮かべるのがリキュール。
アニスをベースにしたリキュールは数多く、特にフランスではパステスやペルノといった歴史あるもの、またトルコのラクもアニスがベースとなっているお酒で広く飲まれているお酒です。
昔の貴族の姿やフランス独特のシュールな絵柄と合わせたリキュールのポスターも多く、展覧会なども開かれています。お酒はその国々の独特の文化も垣間見られることから私もとても興味深く、一時期図録をコレクションしていたことがありました。
アニスのリキュールは水と合わさると精油成分が反応して白濁したり、カクテルに数滴いれて風味を出したりと、その芳香成分を活かしていることが特徴です。この成分が胃腸の働きを良くする作用があるため食前酒などでも飲まれています。アニスシードを使ったケーキを食後に食べるのも同様に油物を食べた後の消化促進作用を目的としていています。
また甘い香りを口腔に残すことから、練り歯磨きやマウスウォッシュなどにも使われてきました。
精油はその芳香成分を取り出したものになりますから、その作用も同様で、消化促進、また駆風作用が高く、消化器系のトラブル全般に用いることができます。ただしアニスの精油は数あるスパイスの精油の中でも特に強いので、使用する場合は極々少量をブレンドします。
やはりスパイス系の香りとの相性は抜群で、フェンネルやコリアンダーなど同じセリ科のものとよく合います。またローレルやロックローズなどパワフルな香りなものとの相乗効果も高いですがどれも力強い精油ばかりなので、普段のよりも2~3倍くらいのキャリアオイル等で希釈するとよいでしょう。
パワフルなスパイス系の精油は疲れ切って元気がない時に特に効果的です。
また強壮作用、去痰作用にも優れることから、実は風邪の時に枕元に香らせるというのも効果的です。刺激の強い精油なので精油成分が直接肌に当たらないように注意します。
ショックなことがあって気持ちが冷え切ってしまったとき、アニス、ローレル、ベルガモットのブレンドはいかがでしょうか?寄り添ってくれるような温かみのある香りに仕上がります。
アニスの香りは温かさを持ちながら、同時にどこか涼やかな大理石の空間にいるような優雅な気分をもたらしてくれる香りに感じます。暑さでバテてしまった、そんなときは同じアネトールを含むフェンネル、オレンジ、にごく少量のアニスのブレンドの芳香浴もおすすめ、呼吸器系への作用も期待できます。
繰り返しになりますが、スパイス系の精油は、お料理で使うスパイスと同じように、普段のブレンドにちょっとだけ加えるのがよいでしょう。アニスも媚薬としても用いられてきたスパイスです。ほんのちょっとしのばせる、その位の加減がちょうどよいのだと思います。
以上
次回はパチョリの予定です。お楽しみに!
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鷺島広子(さぎしまひろこ)
ハーバリスト・アロマセラピスト
ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表
12年間の会社員として大手メーカーにてシステムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンH【a∫】(アッシュ)を開設。いにしえからの植物と人との関わりが手仕事、モノづくりや商品として繋がっていく場づくりとして2013年“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。
アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ暮らしに役立てるフィールドワークを行う。植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施。書籍「ケルトの植物」読書会を2015年より実施し開催回数100回を超える。植物の恵みを活かす商品コーディネートやイベント企画を行い、東京都国分寺市のカフェスロー内にある「暮らしを耕すマーケット」では、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。