2025.2.6|ファファラ精油物語 鷺島広子/第36回 「シトロン」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

 

 

〇レモン(学名:Citrus limon 科名:ミカン科 抽出部位:果皮)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;リフレッシュ

 

 

 前回のシトロンとも近縁のレモン、「檸檬」という漢字もあることから日本には古くからあるのかと思いましたが、日本に初めて持ち込まれたのは明治時代とのこと。それまであった柑橘が橙(だいだい)や柚子だったことを考えると、レモンの香りが持つストレートな爽やかさは人々にとってかなりインパクトがあったのではないでしょうか? 

 

 漢字繋がりで、中国ではレモンやシトラスのこと「枸櫞(くえん)」と呼びますが、これがレモンや梅、ハイビスカスなどに含まれる酸味成分のクエン酸の名前の由来となっています。梅が日本に古くからあったことを考えると、外来のものでもどこかで親しみやすさを感じたのかもしれません。ただ梅が日本で湿度が高い梅雨時に収穫されるのと対照的に、レモンは、夏がからりとしている地中海性気候の土地で多く採れるというのも面白いなぁと感じます。

 

 味覚では酸味が際立つレモンですが、その香りは柑橘の中でもとびぬけて爽やかでドライ。日本の居酒屋メニューの定番のレモンサワー、酸味際立つ味わいもそうですが、その爽やかなでドライ香りと炭酸のコンビネーションが、日本の湿度高い夏やじめじめした感情からくる(?!)ストレス解消にフィットするのかもしれません。

 

 芳香成分の組成をみると、一番多いリモネンの他、ピネン類やミルセンなど、針葉樹系にも多い成分を含みます。そのため、どんな精油との相性も良く、特にミドルノートとなるハーブ系や花系の香りと合わせるとバランスよくまとまります。クラリセージやスイートマジョラムなどの少し重めの香りと合わせると、香りに程よく軽さや動きが出てくるので使いやすくなります。またγ-テルピネンを共通に含むティーツリーなどの精油とも相性がよいです。

 

 例えばアレルギー症状などで鼻水がつらいなどの時には、レモン、ペパーミント、シダーウッドのブレンドはいかがでしょうか?鬱滞感でつらい気分の時にもおすすめです。また勉強や仕事で集中したいときには、レモン、ローズマリー、フランキンセンスのブレンド。透明感のあるこのブレンドは単に集中力を高めるだけでなく、様々なプレッシャーに打ち勝つしなやかな強さももたらしてくれる気がします。

 

 軽い光毒性を持つ精油の為、スキンケアでの日中の使用は控える必要がありますが、くすみや鬱滞感を取り去る作用を持つので、キャリアオイルなどで希釈しての夜のパックやクリームなどにも効果的です。またスリミングを目的としたボディケアやホルモンバランスの乱れから来るむくみなどにも作用が期待できます。レモン、サイプレス、ゼラニウムまたはクラリセージのブレンドをキャリアオイルで希釈して、下腹部や背中、太ももなどをトリートメントするのもよいでしょう。

 

 もちろん芳香浴で気持ちをリフレッシュする作用が高いので、匂いが気になる水場や爽やかさを演出したい空間にもおすすめです。お手洗いで気になるアンモニア臭を中和する働きを持つクエン酸スプレーに、その名前の由来となったレモンの精油を加えてみるのも面白いですね、

 

 食べ物で親しみがある分、精油ではあまり使わないという方も、多くの精油と相性の良いレモンをブレンドに用いてみると意外と新しい発見があるかもしれません。様々なブレンドにぜひチャレンジしてみてください。

 

次回は柑橘からはなれ、パルマローザの予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

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鷺島広子(さぎしまひろこ)

ハーバリスト・アロマセラピスト

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

 

12年間の会社員として大手メーカーにてシステムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンH【a∫】(アッシュ)を開設。いにしえからの植物と人との関わりが手仕事、モノづくりや商品として繋がっていく場づくりとして2013年“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。

アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ暮らしに役立てるフィールドワークを行う。植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施。書籍「ケルトの植物」読書会を2015年より実施し開催回数100回を超える。植物の恵みを活かす商品コーディネートやイベント企画を行い、東京都国分寺市のカフェスロー内にある「暮らしを耕すマーケット」では、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。

 

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