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ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています
〇シベリアモミ(学名:Abies sibirica 科名:マツ科 抽出部位:針葉)
先月に続いてモミの木の香りです。
シベリアモミはその名の通りシベリア地方に多く分布するモミで、他のモミと比べてシャープでドライな印象の香りです。ただ、しばらく香りを漂わせているとその奥に独特の甘さが隠れているのが感じられます。
マツ科のモミの木の種類は実に多様で、それぞれの地域の気候に合った種が自生しています。シベリアモミはタイガと呼ばれる乾燥した広大な針葉樹の森に分布しています。永久凍土も存在する地域、寒さの中でも凍らずに生き生きと緑の葉をつける樹の姿を想像するとなんとも神々しく、生命の泉の様なものを感じます。
その芳香成分は、森林浴の香りともいわれるα-ピネンが多く、次いでローズマリーなどにも含まれるボルニルアセテート(甘い香りを持つエステル類)も含まれます。シャープでいながら甘さを持ち合わせていることが成分構成からも分かります。気持ちをリフレッシュして集中したいときに効果的ですが、同時に森に入ったような清々しくもリラックスする作用もあります。
他のモミと同様に呼吸器系への作用も大きく、抗菌、抗ウィルス作用から気管などの浄化、咳や痰などの症状を緩和します。香りを感じながら深呼吸をすることで胸と背中、肺があるスペースが大きく広がる感じがします。
お部屋や空間の芳香浴としてもおすすめです。温かみのあるブラッドオレンジなどの柑橘系と合わせるとよりリラックス感が増すので、リビングやパーティなど人が集まる場所に香らせると、落ち着いた明るい雰囲気を作ってくれます。
そして厳しい環境でも大きく生き生きと育つこの木の香りは、しっかりと地に足をつけ、新しいことにチャレンジしたいとき、自信がない時にも、大丈夫と背中を押してくれると思います。
程よくリラックスしながら集中したい、例えば仕事での大事なシーン、試験勉強や試験本番にもよいでしょう。他の木や樹脂の香りとも相性がよいので、シベリアモミ、フランキンセンス、ホーウッドのブレンドは、いかがでしょうか? 植物の力に守られながら、自身の力を最大限に発揮できるように思います。
凛とした澄んだ冷たい空気の中にどっしりと静かに佇むモミの木の香りを感じながら、寒い季節も健やかに、瑞々しく過ごしていきましょう。
次回はカカオの予定です。お楽しみに。
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鷺島広子(さぎしまひろこ)
ハーバリスト・アロマセラピスト
ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表
12年間の会社員として大手メーカーにてシステムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンH【a∫】(アッシュ)を開設。いにしえからの植物と人との関わりが手仕事、モノづくりや商品として繋がっていく場づくりとして2013年“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。
アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ暮らしに役立てるフィールドワークを行う。植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施。書籍「ケルトの植物」読書会を2015年より実施し開催回数100回を超える。植物の恵みを活かす商品コーディネートやイベント企画を行い、東京都国分寺市のカフェスロー内にある「暮らしを耕すマーケット」では、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。
