2025.1.7|ファファラ精油物語 鷺島広子/第35回 「オレンジ・スイート」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

 

 

〇オレンジ・スイート(学名:Citrus sinensis 科名:ミカン科 抽出部位:果皮)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;リフレッシュ

 

 

 

 数ある柑橘の精油の中でも一番親しまれているオレンジ・スイート。気持ちをリフレッシュすると同時に安心感に包まれる香りです。講座などで香りのムエット(試香紙)をお配りしたときに、皆さまのお顔がぱっと輝き「いい香り~!」と一様に反応されるのが、このオレンジ・スイートの香りです。「美味しい香り!」と表現される方も多く、嗅覚から味覚の記憶が思い起こされる香りの1つでもあります。

 

 オレンジ・スイートはどんな香りとも相性が良く、ブレンドの中で用いると全体のバランスをとる働きをするので、精油を使い始めたばかりの方やブレンドに初挑戦、という方でも使いやすい香りです。また圧搾法で採られる柑橘の精油の中でも、光毒性の心配をせずに使えるのも特徴です。

 

成分的にはリモネンの含有量が多いので、血管を拡張することで血行を促し、結果として温める作用や免疫力向上が期待できます。腸の蠕動運動を促して消化力や代謝力を上げる働きをします。また胆汁の分泌を促進することで脂肪の代謝を促し、また肝臓を強くすると言われています。

 

感情面に対しても、情緒を温め、落ち込んだ気持ちを上向きにしてくれる作用があります。木に実る柑橘の実の様子は世界中で太陽のシンボルとしても捉えられていて、まさに陽の光が心と体に満ち溢れていくような感覚を覚える方も多いでしょう。

 

 一般的に柑橘系の香りはブレンドをするとトップノートとして働きますが、オレンジ・スイートの場合は、トップとして働きつつ、他の香りとの親和性が高いせいか、ブレンド自体を引き上あげる、または合わせるものによっては落ち着かせる、という中庸に働いてくれる気がします。たとえば木の精油など少し重い香りと合わせることで全体がまとまりミドルノートのように働いたり、逆にミント系やレモン、グレープフルーツなどの軽い柑橘系と合わせると、オレンジ・スイートがベースノートのような深みを出す働きに回るのも面白いなと思います。

 

 様々なブレンドで用いることができるオレンジ・スイートですが、目的別に用いるブレンド例をご紹介しましょう。まず、消化に関するお悩みに対しては、オレンジ・スイート、マジョラム、ブラックペッパーのブレンド。腸全体の蠕動運動を促進し、また駆風作用が高い精油と合わせることで、消化不良や膨満感などのお悩みに効果的です。情緒を温めるブレンドでもあるので、ストレスによる消化器系のトラブルにも有効です。

 

また睡眠に関するお悩みに対しては、シダーウッド・バージニア、ラベンダー、オレンジ・スイートのブレンドがおすすめです。安心感をもたらして気道を広げてくれる働きもあるので、咳や痰など呼吸器系のトラブルにも有効でしょう。

 

さらにスキンケアに用いる場合はゼラニウム、パチュリ、オレンジ・スイートのブレンドは、どれもバランスをとってくれる働きがあるため、皮脂バランスやくすみなど様々なお肌のトラブルやお悩みにも有効です。

 

それぞれ、キャリアオイルで希釈して気になる部分へのトリートメントオイルとして使用したり、アルコールに溶かしたものをハーブウォーターなどで希釈してスプレーにしたり、またお塩に垂らしてバスソルトとしても活用できます。

 

お風呂に入れると柑橘系の精油の成分にお肌がぴりっとする方もいらっしゃいますので、その場合は無理に使用せず、カップに数滴の精油をたらしての芳香浴でも充分です。ブレンドの中のオレンジ・スイートの割合を減らす、またはラベンダーやティートリーなど肌刺激が比較的少ないものと一緒に合わせるのもおすすめです。

 

オレンジ・スイートは、ポピュラーな精油だからこそ、ブレンドに慣れてくると意外と選ばれなくなることもあるようですが、改めて見直してみるとやはり様々な有益な作用を持ちつつ安心して使うことができるものの1つです。

 

寒さが体に堪える季節、心も体も温めるオレンジ・スイートの香りを毎日のアロマライフに取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

次回はシトロンの予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。

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