2024.7.2|ファファラ精油物語 鷺島広子/第29回 「グレープフルーツ」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

 

 

グレープフルーツ(学名:Citrus paradisi  科名:ミカン科 抽出部位:果皮)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;リフレッシュ 

 

 

 

 「どんな香りが好きですか?」と聴いた時に、”柑橘系”と答える方はかなりの頻度でいらっしゃり、若年層の方がその率も高いように感じます。その方たちに、オレンジやベルガモット、レモン、グレープフルーツ…と順に嗅いでいただいた時に、これがいい!と選ばれる率が高いのがグレープフルーツ。オレンジほど甘くなく、レモンほどとがっていない、程よく柔らかさがあり、リフレッシュできる、柑橘の香りの中でもそんなバランスが取れているのがグレープフルーツの香りかと思います。

 

もう一つ、その特徴を挙げるなら「苦味」。これもまた程よく、鼻の奥の方で感じられる特徴。若年層にとっては少し大人っぽく感じ、逆に熟年層には若々しく、フレッシュに感じられるのがこの特有の苦みな気がします。

 

 主要成分がリモネンであることは柑橘系の香りでは共通していますが、それぞれを特徴づけるのはリモネン以外の微量成分の種類。グレープフルーツでは、ヌートカトンやミルセンがそれにあたります。香りを嗅いだときに、果汁がほとばしるようなフレッシュさと同時に程よい甘さと柔らかさを感じさせてくれます。

 

精油について色々学び始めた頃、職場や外出時、毎日ハンカチに精油を1,2滴垂らして持ち歩いていました。様々な香りを試す楽しみとブレンドの学びでもありました。その中でグレープフルーツは、私の中では新幹線に乗るときの”お守りの香り“でした。

 

そのころは乗り物があまり得意ではなく、特に新幹線特有の匂いが苦手で、降りてもしばらく気分が優れないことが多かったのですが、新幹線に乗るときにローズマリーとグレープフルーツをハンカチに垂らして持って行ったところ、いつもよりもずっと快適に過ごせたことで、私の中でのお守りとなりました。以来しばらくは新幹線に乗るときはこの組み合わせで、というのがお決まりとなり、やがて新幹線への苦手意識も消えていきました。

 

香りを嗅ぐことで “大丈夫!” と思えることも、とても大切な要素だと感じます。

 

もし同様にローズマリーと相性のよいレモンだったら、もっとシャキッとした香りとなり仕事や勉強の時におススメの香りになります。当時の私にとってはグレープフルーツだったからこそ程よくリラックスも出来、精神的にも穏やかでいられた気がしています。

ローズマリーと同様、ユーカリやラヴィンサラなど1,8-シネオールを含む精油との相性はよく、メントールを含むペパーミントと合わせると、美味しそうな香りになります。実際、グレープフルーツのゼリーにミントの葉をのせたデザートもありますね。

 

 またジュニパーやサイプレス、シダーウッド・バージニアなどヒノキ科の精油とグレープフルーツのブレンドは、独特の透明感を持った洗練された香りになります。ラグジュアリー空間でのスパのような香りとでもいいましょうか。実際この組み合わせは、リンパ液の流れを促進し、脂肪燃焼を促す作用があるブレンドで、瘦身目的のトリートメントなどにもよく使われています。

 

柑橘系の中でもバランスが取れているグレープフルーツを同じくバランスをとるのが得意なゼラニウムやイランイランと合わせると自律神経やホルモンのバランスを目的とするブレンドになるでしょう。たとえばホルモンバランスによるイライラやむくみなどの不調には、ジュニパー、ゼラニウム、グレープフルーツのブレンドでバスソルトやトリートメントオイルにするのもおススメです。

 

 また湿度が高く蒸すような天気の日には、シダーウッド、グレープフルーツのブレンドにお好みでイランイランかジャスミンをちょっとだけ加えると、雨の中に香るガーデニア(クチナシ)の花のような、それでいてスッキリとした香りに仕上がります。

 

梅雨の時期、なかなか気持ちも身体も重たくて、という方は、グレープフルーツの柔らかでいてリフレッシュしてくれる香りをお好みの香りとブレンドしてみてはいかがでしょうか?

 

次回はローレルの予定です。

お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。

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