2024.4.9|ファファラ精油物語 鷺島広子/第26回 「ユーカリプタス・グロブルス」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

今回より3回に渡りユーカリ特集となります。第1回目は、ユーカリの代表格ともいえるユーカリ・グロブルス。精油は、植物が作り出す多種類の化学成分(芳香成分)からなりますが、ユーカリ・グロブルスは、1,8-シネオールが70%前後(ファファラでは60-85%)も含みます。

 

 

ユーカリ・グロブルス(学名:Eucalyptus globulus 科名:フトモモ科 抽出部位:葉)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;ウェルビーイング

 

 

 

 1,8-シネオールは、他のユーカリ類やローズマリー、ティートリー、またペパーミントなどにも少量含まれる成分で、スーッとした香りがする精油に多く含まれています。呼吸器系や消化器系に対して抗炎症作用を持ち、抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用も持っています。

 

 “風邪にはユーカリ!“と定説のように言われるのは、これらの呼吸器系の炎症に対して有効に働き、抗菌・抗ウィルス作用が高いことが理由です。実際に、喉がいがらっぽい時や鼻の奥に不快感があるときなどユーカリの香りを嗅ぐとスッキリします。多少の喉の痛みは和らぐこともあります。ただし、痙攣性の呼吸器系の疾患や癲癇などをお持ちの方には禁忌とされています。1,8-シネオールが単体で70%前後入っていることを考えると皮膚や粘膜への刺激性も高いので濃度にも注意が必要です。

 

 つい先日、7年ぶりに南インドに行った際、ムナールという紅茶畑でも有名な高山地を初めて訪れました。そこで見たのは茶畑の山を抜けて登ったところに果てしなく続くユーカリの森。日本では見られない非日常の光景に、車窓から見たときはじめはユーカリと気づかず、随分と背の高い木がたくさん生えているなと思いましたがよく見ると葉や幹はユーカリそのもの。風にしなやかにそよぐ姿が日本の竹林にも通じるものがあるなと感じました。また湖のほとりでもユーカリの森があり、そこで乾燥した落ち葉をちぎって嗅ぐと柔らかでさわやかな香りが体をさわやかに駆け抜けました。ユーカリの木はアレロパシーの成分を含み周りに他の植物をよせつけないというのも森の様子からうなづけます。成長が早く、どちらかというと草の様な木、という印象も日本の竹と通じるところがあるなと感じます。真夏を迎えるインドで涼やかに風にそよぐユーカリの森、というのは、今まで持っていた私のユーカリのイメージを覆すものでしたが、ユーカリの香りが持つ清涼感を考えるとこの様な暑い地域で涼を感じる植物、としての役割もあるのだなと感じます。

 

 精油のブレンドでは、やはり同じ1,8-シネオールを含むローズマリーやティートリーとの相性はよいですが、それらを合わせると1,8-シネオールの濃度がさらに上がることに注意が必要です。芳香浴としておススメなのは、レモンやグレープフルーツ、ベルガモットなどの柑橘系、シダーウッドやサイプレス、などの針葉樹の香りとの相性も良いように思います。

 

またスイートオレンジ・ラベンダーに少しのユーカリというのも柔らかくスッキリする香りに仕上がります。スーッとした印象の精油はいくつかありますが、なんとなく体の中に風を起こすイメージで少量ブレンドするのがよい気がします。

 

新年度を迎え、気分をリフレッシュしたいけれどなんだかもやもやする、という方のスイッチの切り替えにこのさわやかな香りを活用するのもよいのではないでしょうか?

 

次回はユーカリ・ラディアータの予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。