2024.1.4|ファファラ精油物語 鷺島広子/第24回 「マジョラム」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

香りの温度感、というと変な表現かもしれませんが、“温かさを感じる香り“と”冷たさ(涼やかさ)を感じる香り“があるのではないでしょうか? 今回とりあげるマジョラムは、この分類でいうと”温かさを感じる香り“の筆頭に挙げられると思います。

 

 

〇マジョラム(学名:Origanum majorana 科名:シソ科 抽出部位:葉)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;リラックス

 

 

 

 香りの温度感、というと変な表現かもしれませんが、“温かさを感じる香り“と”冷たさ(涼やかさ)を感じる香り“があるのではないでしょうか? 今回とりあげるマジョラムは、この分類でいうと”温かさを感じる香り“の筆頭に挙げられると思います。

 

 前回(ジュニパー)に続いて私の会社員時代の話になりますが、ある時期お腹が異常に張ったことがありました。今振り返ればストレスにより消化器系が上手く働かず、代謝・循環が悪くなったことが原因と考えられます。アーユルヴェーダ的に言うとアーマ(未消化物のこと)が増大した状態、このアーマが増えると病気になると言われています。

 

ストレスによる反応は人それぞれ、痩せる方も太る方もいますが、私は後者でした。消化力が鈍っているにも関わらず、夜遅くに食事をし、お通じも悪くなり、体重が増え、それが顕著にお肌の状態にも現れる、まさに悪循環。

 

 その悪循環を断ち切るきっかけになったのが、このマジョラムの精油です。

 

アロマテラピーを学び、学名を覚えるのとブレンドを色々試したいという想いで、毎日のバスソルトに3,4種類の精油をブレンドし、学名で記録していく、というのを習慣としていた頃です。お腹の張りで苦しんでいた時に「駆風作用」を目的として選んだのが、マジョラム、ペッパー・ブラック、オレンジ・スイートのブレンドでした。塩に合計5滴ぐらいをたらしてお風呂にいれて湯船につかっていると、張っていたお腹からどんどんガスが・・・!

 

同じブレンドでトリートメントオイルも作り、おなかや仙骨の上あたりをマッサージすると翌朝のお通じの良いこと!身体の顕著な反応でアロマテラピーの作用を強く感じました。そして実は心も冷えていたのだということの気付きに繋がります。

 

香りを選ぶときに、その作用から選ぶ、よい香りと感じるものを選ぶ、自然と手が伸びるものを選ぶ、など色々な方法を試します。それを繰り返していくと、自分のサイクルやパターンが分かってきて、選ぶ精油から自分の状態が分かるようになります。女性の場合は、月経周期による好みの変化も比較的大きいので、一つのバロメーターとして香りを活用するのもよいでしょう。

 

私の場合はマジョラムがとても良い香りに感じるときは、何かしらの寂しさや喪失感を抱えた時が多く、今までのクライアントさんの反応を見ていても共通したものを感じます。何かにあきらめた様な状態になったときに、救いの手を伸ばしてくれて、冷えてしまった心と身体を温めてくれる香りだと思います。

 

ブレンドする際、最初に述べような“香りの温度感”が近いものを選ぶと、とてもまとまったレンドになります。例えば、マジョラム、カモミール・ローマン、マンダリン・レッド、この3つはそれぞれの温感の相乗効果でまさに心と身体を温めてくれる香りになります。

 

 一方で、温度感が違うものを合わせるブレンドもそれぞれが消し合わず、作用をうまく引き出し合う効果が生まれることもあります。例えば、マジョラム、ラベンダー、ベルガモットのブレンド。比較的涼感のある精油とのブレンドですが、心を優しく解きほぐし、落ち着かせる作用があります。

 

またフランキンセンスなど樹脂系とマジョラムのブレンドは、どこか古代ギリシャの神聖な儀式を思い起こさせるような深い静寂、鎮静を感じます。大切な人やペットを亡くされた喪失感、祈りたいときなどに用いたい香りです。マジョラムに含まれるテルピネン-4-オールは、ティートリーなど抗菌作用を持つ精油に含まれる共通成分でもあります。心的なストレスによって免疫力が落ちているときにやさしくまもってくれるような作用もあるでしょう。

 

先のペッパー・ブラックとのブレンドのようにスパイス系の精油との相性もよいでしょう。冬の冷え切った身体には、マジョラム、ジンジャー、オレンジ・スイートなどのブレンドは血流を促し、心身を緩ませ温める作用から、腰や肩が張っているときのトリートメントにもおすすめです。

 

立春間近、春に向けて身体も弛んでいく頃ですが、寒さが厳しくなる時期でもあります。冷えからくるぎっくり腰など筋や腱のトラブル予防に、また張りつめていた心の緊張をときたい時などに、マジョラムの力を借りてみてはいかがでしょうか? 

 

コロナ禍の2022年の3月から始まった精油物語も丸2年となりました。お付き合いいただきありがとうございます。来月より3クール目に入ります。

 

次回は、ベルガモットの予定です。お楽しみに!

 

 

 

 

 

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アッシュ 鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト。12年間の会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。