2024.1.4|ファファラ精油物語 鷺島広子/第23回「ジュニパーベリー」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

ジュニパーは古ヨーロッパ文化の源流のケルトの時代から大切な節目などに用いられてきた植物です。その浄化作用(目に見えるもの、見えないもの含めて)の高さから、フランスの病院ではローズマリーと共に枝を焚きしめていた歴史もあります。

 

 

ジュニパーベリー(学名:Juniperus communis 科名:ヒノキ科 抽出部位:果実)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;ウェルビーイング

 

 

 

 アロマテラピーを学び始めた頃、このジュニパーについて、「お酒のジンの香りづけに使う」ということを知った時にドキリとしました。

 

 私が会社員で残業に追われていた時に行った東京のJAZZCLUBで出会ったジンの香り。その時の感覚がよみがえりました。ジンは元々好きな蒸留酒の一つでしたが、そのときに味わったジンの香りに今までにない透明感と光を感じました。

 

 様々なストレスで心身共に弱っていた時に、一つの道筋を感じ、自分が進むべき道はこっちだと確信した瞬間です。それから私の人生において一つの転機を迎えることになるのですが、想い返せばこのジンがきっかけだったと気づきました。

 

 ジュニパーの作用としてあげられる、浄化、覚醒、活性化。さらに腎の強壮、心身の元気づけ…。これらは、まさにそのJAZZCLUBで出会ったジンから当時の私が得たことそのものだったことに気づかされました。

アロマテラピーを学んだことで、その香りがもたらす作用を改めて実感したのです。

 

 

 ジュニパーは古ヨーロッパ文化の源流のケルトの時代から大切な節目などに用いられてきた植物です。その浄化作用(目に見えるもの、見えないもの含めて)の高さから、フランスの病院ではローズマリーと共に枝を焚きしめていた歴史もあります。葉にも香りと作用がありますが、ジュニパーベリーの精油はその名のとおり、雌株に生る果実を蒸留したものです。

 

 ジュニパーの和名はセイヨウネズ、日本にも古くからあるネズと学名は違いますが外見や作用はよく似ています。ネズの実は生薬では「杜松子」としてその利尿作用や発汗作用、鎮咳作用が用いられています。

 

 ジュニパーの精油にも「杜松子」と同様の作用がありますが、成分的には抗菌作用が特徴のテルピネン-4-オールなどのアルコール類、と鎮静作用や抗炎症作用を持つミルセンやα-ピネンなどのテルペン類などを含みます。古くから強肝・強腎の作用が用いられています。私自身の経験では、生理前の鬱滞感や疲労による軽度のむくみにグレープフルーツやブラックペッパーなどとブレンドして下腹部や腰、足などに用いると効果的です。ただし腎臓が疲れているとき、身体が疲れ切っているときやどこか炎症を起こしている際には腎臓に負担をかけるので経皮での使用を控えた方がよいとされています。

 

 ブレンドには、α-ピネンを共通して含む針葉樹系やテルピネン-4-オールを含むティートリー、そしてレモンなどスッキリとした柑橘系が一般的には相性がよいです。ただファファラのジュニパーベリー精油(ブルガリアの野生のジュニパーの実を蒸留してとられたもの)は、良質のダージリンティをいれたときの香りや、その奥にフルーティーな南国の果実のような甘い香りも秘めている感じがします。

 

そのため、一般的なブレンドはもちろんのこと、ゼラニウムなどのハーブの精油、さらにはオレンジ・スィートなどの甘さのある柑橘系にも相性が良いように感じます。

 

 例えば、シダーウッド・バージニア(ヒノキ科)・、ジュニパーベリー・、レモンのブレンド(※1)とシダーウッド・アトラス(マツ科)・、ジュニパーベリー・、オレンジ・スィートのブレンド(※2)を比べてみると※1は透明感のあるスッキリとしたブレンド、※2は甘さの中にもキレがあるブレンド、とその違いが楽しめます。どちらも空間の浄化にも役立ちますが芳香浴の場合は、※1は洗面や玄関、※2は寝室やリビングなどに向いているブレンドかと思います。

 

 少し気合を入れたいときにおススメなのは、高山マツ・、ジュニパーベリー・、グレープフルーツのブレンド。清々しさと同時に、鬱滞しているものを動かしてくれるような働きをしてくれるでしょう。

 

 年明けやこれから迎える節分、またはご自身の切り替えのタイミングで、邪を払い心身を清め、気を通す、そんなジュニパーの作用を取り入れてみるのもおススメです。

 

 次回は、久しぶりのハーブ系、マジョラムの予定です。どうぞお楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

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鷺島広子(さぎしまひろこ)

 

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト

 

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。