2022.6.1|ファファラ精油物語 鷺島広子/第4回「ティーツリー」


  

 

植物にとっての最適な産地から高品質な精油をお届けしているファファラ。

ファファラの精油を毎月1種類ずつご紹介しています

 

 

ファファラのティーツリー精油は「ブッシュ・オイル」。有機認定を受けた土壌での野生採取のティーツリーの葉からのみ採られています。ティーツリーの特徴、そして生活の中での取り入れ方のヒントも併せてご紹介しています。

 

 

 

ティーツリー(学名:Melaleuca alternifolia  科名:フトモモ科 抽出部位:葉)

ファファラ アロマケアカテゴリ―;ウェルビーイング

 

 

ドライでいて甘さがある、ティーツリー精油の香りは、特徴的で他に類をみない気がします。またブレンドした時、自身の主張をふわりと消し去ることができるのもティーツリーの特徴と思います。

 

他のフトモモ科の植物と同様オーストラリア原産、ティーツリーは特に大陸の南東に位置するニューサウスウェールズ州の沼沢地帯に自生します。キャプテンクック一行が旅の途中のリフレッシュにこの葉のお茶をいれたことからこの名がついたとも言われていますが、根から出る成分で沼がお茶色になるからという説もあります。先住民アボリジニの人たちは、この成分が溶けだした水に様々な治癒力があることを知っていて、その沼に入り、傷を治したり、出産をしたりしていたそうです。

 

現地の人々は、古くからこの植物に備わる力を充分に活用していましたが、精油という形での歴史は比較的浅く、特にヨーロッパで知られるようになったのは、第二次世界大戦中、傷ついた兵士たちをティーツリーの精油で治療してよい結果が出たことがきっかけと言われています。

 

ティーツリーの精油は抗菌・抗ウィルス・抗真菌作用に優れ、皮膚刺激性も比較的少なく、使いやすい精油の一つです。少し喉がむずむずするなと思った時にマスクの外側に1滴垂らしたり、芳香浴をすることで、その不調が改善したことは、私も何度も経験しています。またアトピー性皮膚炎の感染症予防などにも有効です。さらにこの精油がもつ抗真菌作用は、例えば水虫など真菌が原因の症状の予防にも優れます。

 

成分としては、テルピネン-4-オールという、抗菌・抗真菌作用に優れた成分が多く含まれ、免疫力向上にも役立つとされています。またこの成分により皮膚浸透性が高まるという研究もされていて、皮膚疾患に対してのアプローチとしても有効と考えられます。1.8-シネオールも含まれているため、これらの作用の相乗効果も期待できます。

 

このようにティーツリーは日常の具体的な不調に使いやすい精油の一つで、ついその作用に目が行きがちですが、香りとしての作用も見逃せません。自身で化粧水やトリートメントオイル、トワレなどを作成する際、ティーツリー精油を入れると途端に香りが洗練される、というのを経験されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

ラベンダー、ローズマリーなどのハーブ系の香りとも、シダーウッド、サイプレスなどの木の香りとの相性も良く、もちろんレモンやグレープフルーツなどのさっぱりとした柑橘系との相性も抜群です。例えば、むくみ解消用に、サイプレス、ローズマリー、グレープフルーツのブレンドを作ったとします。ここにティーツリーが入るのと入らないのでは香りの洗練具合が全く異なってきます。(もちろん香りのお好みの個人差はありますが)

またブレンドすることで、ティーツリーが持つ特有の苦みが消えることも見逃せません。

 

同時に、沼地や湿地に生える植物は、身体の水はけを良くする作用をも備えているように思います。水分バランスを整えたり、体内の水の流れ(リンパや静脈血)を良くする作用を、梅雨~夏の体調管理に利用してみるのもよいのではないでしょうか?

 

ティーツリーは気候条件が合えば栽培もしやすく、幹が折れてしまってもまた再生し大きく成長します。国によっては成長が早いので有害植物に指定されたこともあるようですが、この性質を利用して大規模なプランテーションで生産されているところも多くあります。ファファラのティーツリー精油は「ブッシュ・オイル」。有機認定を受けた土壌での野生採取のティーツリーの葉からのみ採られています。力強さと甘さ、そして奥にあるどこか水を通すような透明感をぜひ楽しんでいただけたらと思います。

 

次回はラベンダー、アロマテラピーの王道的な精油が続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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鷺島広子(さぎしまひろこ)

 

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰

葉っぱのうらがわ 代表

アロマ&ハーブセラピスト

 

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。

サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。